フィギュアスケートはジャンプだけじゃない 


2016/12/15 6:30

フィギュアスケートの男子はまるで4回転ジャンプ合戦のようだ。成功するかどうかのスリリングな展開にワクワクする一方、最近は物足りないのがプログラムそのものの魅力だ。2010年バンクーバー五輪のころまでは、高い演技構成点でメダル争いに絡んでくる選手が少なくなかったが、それ以降はジャンプの得点配分が高くなり、スケーティングが上手な選手の見せ場が少なくなりつつある。「これではフィギュアスケートでない」という声もぽつぽつ聞こえるようになってきた。

滑らかなエッジワークでため息誘う

 11月のグランプリ(GP)シリーズNHK杯で、ステップだけで会場を盛り上げた選手がいた。ショートプログラム(SP)でサム・スミスによる映画「007」のテーマ曲に、フリーでは「ピアノ・レッスン」の曲に乗せて滑ったジェイソン・ブラウン(米国、22)だ。180度以上も開脚したバレエレッグに、180度近く足を上げたI字バランス……。たっぷり時間をかけて、深いエッジで滑らかなエッジワークを見せながら滑る姿に、会場からは自然とため息が漏れ、拍手がわき起こった。



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